自治体の支援
身体障害者手帳の取得が全ての始まり
身体障害者に対する国や地方自治体の支援(サービス)は、原則として身体障害者手帳(身障手帳)の交付を受けている人を対象としています。見えない、見えにくい人(視覚障害者)も同じで、サービス利用は身障手帳の取得から始まります。中途視覚障害者の中には、身障手帳の交付を望まず申請に二の足を踏む人が、先天性視覚障害者より多くみられます。これは、障害者という烙印を押されたくない、健常者として生きていくことを否定されたくないなど本人の精神的な理由や、障害者が身近にいることを隠しておきたい、周囲から特別視されたくないなど家族や近隣者の意向などが背景にあります。しかし自分に必要なサービスを利用しながら、学校生活・職業生活・家庭生活など社会生活全般を円滑に送っている視覚障害者は多くいます。せっかく用意されているサービスを上手に使っていく方が、視覚障害者には幸せなのです。まずは身障手帳の交付申請をしましょう。
身障手帳の交付が受けられるのは?
身障手帳には1級(重度)から7級(軽度)まで(視覚障害は1級から6級まで)の区分があり、視覚障害者の場合は次の基準により身障手帳が交付されます(詳しくは市区町村の福祉担当またはピアプレースまでお問い合わせください)
◼︎ 身体障害者障害程度等級表(視覚障害のみ抜粋)
1級
両眼の視力の和が0.01以下のもの
2級
両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの、両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの
3級
両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの、両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの
4級
両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの、両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの
5級
両眼の視力の和が0.13以上 0.2以下のもの両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
6級
1眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を越えるもの
※視力測定は、万国式試視力表(小学校の保健室などにあった視力測定表)で測ったものをいいます。
※屈折異常(近視・遠視・乱視など)は、矯正視力を測ったものをいいます。
※視能率による損失率というのは、視野計を使って8方向の視野の角度を測って合計し、その結果を560(視野が正常な人の8方向の視野の合計)で除算したパーセンテージが、100%からどれだけ損失しているかを計算したものです。
視覚障害者が利用できるサービスの種類
視覚障害者が利用できるサービスにはさまざまなものがあります。その大半を占めているのが障害者自立支援法によるものです。その他に、都道府県や市区町村など地報自治体が独自に行っているものもあります。まずは、障害者自立支援法によるサービスから見ていきましょう。
あなたの生活に役立つサービスは?
視覚障害者といっても障害の状況はさまざまです。年齢・性別・職業や学習の有無・その他の障害の有無などでも必要とするサービスは変わります。また、家族構成・居住地など視覚障害者を取り巻く環境によっても、必要とするサービスは異なるはずです。あなたの生活に役立つサービスはどれでしょうか?視覚障害者本人は自分のことを考えて、また家族など身近に視覚障害者がいる方はその方のことを考えて、選んでみてください。(詳しくはピアプレースへお問い合わせください。)